「プラネテス」半径5mのスペースオペラ
「ヴィンランド・サガ」の幸村誠が描く本格SF漫画。(全4巻)
(©プラネテス)
【あらすじ】
舞台は2074年、地球の上空210km、宇宙。
人類は月に月面都市をつくり、宇宙旅行があたりまえとなった時代。
(©プラネテス)
主人公のハチは自分の宇宙船を手に入れるために、秒速8kmで飛びかうデブリ(宇宙ゴミ)を回収するデブリ屋として働いていた。
こ宇宙という壮大な舞台で、月で生まれたルナリアンや宇宙への進退をかけたテロ組織との闘い、木星往還船の建造と人類初の到達など様々な話が繰り広げられます。
【以下、ネタバレを含むレビュー】
(©プラネテス)
「行きてェーッ!!絶対必ずどうしても、人間のクズと呼ばれようと、最低と呼ばれようと、前人未到の世界まで行ってやるぞ!魂売るぜ、なにを引き換えにしても全然かまわねーっ!!って腹の底から思えるなら木星にだって行けるぜ、本当だ」
すべてを犠牲にして夢を追うハチマキ。
(©プラネテス)
そこに「愛がない」と対立する新人のタナベが現れ、
孤独とプレッシャーを糧に夢を追うハチマキは「言葉だけだ」「からっぽだ」といいながらも、タナベの行動に振り回され、次第に心揺さぶられていく…。
あれ?ルナリアンとかテロ組織との闘いは??
と思われた方、鋭い!
実は、プラネテスは宇宙という壮大な舞台装置をつかって、主人公とその仲間たちの「生きる意味は」「愛とはなんだ」といった人生の葛藤だったり、はたまた「タバコが吸いたい」やら「犬を飼いたい」といった日常ことだったり、半径5mの範囲で起きる人間ドラマを描くSF作品なのです。
(©プラネテス)
そしてそれが、ルナリアンやテロ組織との闘いといった壮大な舞台を身近に感じさせ、圧倒的なリアリティを持った作品にしています。
壮大な舞台のワクワク感!
深い人間描写によるドラマ性!!
全4巻にギュッとつまった充実感を、ぜひお楽しみください。