「いちげき」武士を憎み、武士に憧れ、そして武士を斬る
「フリージア」「女子攻兵」の鬼才・松本次郎が描く「時は幕末…」で始まる物語。
(©いちげき)
【あらすじ】
薩摩藩・西郷隆盛は幕府の信用を落とすため、藩士・伊牟田たちに御用盗(ごようとう)を組ませ、強盗や放火、辻斬りを行い江戸市中の風紀を乱した。
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そんな中、丑五郎をはじめとする村の若い農民は、新選組隊士・島田に集められ目的も告げられず試験を受けさせられる。合格者には、前金で三貫文、あとで二両支払うというが…。
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【以下、ネタバレを含むレビュー】
実はこの試験は幕臣・勝海舟が薩摩対幕府の構図を避け、御用盗を討伐するために考えた正体不明・非公式の隊の選抜を行うものであった。
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しかし、事態は急を要しており、与えられた訓練期間は6日…。
刀を持つことさえ初めての農民・丑五郎たちは、「両手正面斬撃」「両手刺突」「両手斜メ斬撃」のたった三つの技だけを頼りに御用盗に挑むことになる―。
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農民 VS 侍
いやー、熱いですね!
薩摩示現流「蜻蛉(トンボ)」の構えに鍬で立ち向かうわけです。
嘘です。ちゃんと刀持ちます。
貶され、詰られ、踏みにじられても反抗することが許されない、絶対的な身分制度の最下層にいる農民が、その侍の武器である刀で薩摩武士を屠る!
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痛快ですねー!!
上手くいけば…。
それを圧倒的画力で描くのが鬼才・松本次郎です。
唸る筋肉!飛び散る血しぶき!!
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合間に挟まれるクスッと笑えるユーモア。
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そして、繰り広げられる人間模様…。
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馬鹿で、グロで、笑えて、泣ける…。
最高級のB級作品、オススメです。